「日本は防犯カメラが多い国」というイメージがあるかもしれませんが、実は世界と比べると設置台数はまだ少ない水準です。一方、防犯カメラの「使い方」という面では、国ごとにはっきりとした違いがあります。数字と事例をもとに、日本と海外のトレンドを比較してみましょう。
2020年のIHS Markit調査によると、世界全体の防犯カメラ設置台数は約7億7,000万台。そのうち日本は約500万台で、絶対数では世界トップ5に入りますが、人口比率で見ると大きな差があります。
人口1,000人あたりの設置台数
(民間・個人宅含む全国集計)
人口1,000人あたりの設置台数
(民間・公設含む全国集計)
人口1,000人あたりの設置台数
(民間・公設含む全国集計)
人口1,000人あたりの設置台数
(太原市が最多水準)
出典:IHS Markit調査(2020年)をもとに各メディアが集計・報告。人口比データはDMJメディア・USENコラム等より。
【参考】都市別データ(公設カメラのみを対象とした別集計)
東京:人口1,000人あたり1.06台 / 大阪:同1.5台 / ロンドン:同68.4台 / アトランタ:同15.5台
※この数値は民間・個人宅のカメラを含まない「公設カメラ」中心の都市別ランキングデータであり、上記の国別集計(民間含む)とは算出基準が異なります。
・ https://dmji.co.jp/media/surveillance-cameras-all-over-the-country/
・ https://usen.com/column/camera/security-camera-penetration-rate.html
日本では長年、防犯カメラは「抑止」と「証拠確保」を目的として普及してきました。その効果は数字にも表れています。警察庁のデータによると、2022年に摘発された刑法犯のうち18.9%の事件で防犯カメラ映像が容疑者特定に貢献しており、これは6年前の約3倍の割合です。
意識調査のデータ(株式会社アジラ・2023年10月)
一方、近年は「防犯だけでない」活用への動きが加速しています。矢野経済研究所の調査(2024年)によると、国内の監視カメラ・システム市場は2023年度に前年比110.9%の約2,000億円規模に達し、DX推進のためのカメラソリューション(マーケティング・安全管理・交通管理など)として、用途が広がっていることが背景にあります。
また、クラウドカメラサービスの普及も著しく、2023年度の累計稼働台数は44万台。2029年度には131万台まで成長すると予測されています。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3704(矢野経済研究所・2024年調査)
設置台数が多い国々では、防犯カメラの映像を「社会インフラとして公開する」という考え方がより定着しています。
データと現状を整理すると、以下のような傾向の違いが見えてきます。
矢野経済研究所の調査では、日本のカメラ市場は「セキュリティだけでなく、マーケティング・安全管理・交通管理・医療現場」など多様な用途に広がりつつあると分析されています。海外ではすでに当たり前になっている「映像の社会的活用」が、日本でもこれから本格化する段階にあります。
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